2017年2月3日金曜日

パラダイム・シフト

トランプ大統領が20日に第45代アメリカ合衆国大統領に就任しました。就任以来、トランプ氏は選挙前の公約通り、TPPからの永久離脱、オバマケアの撤廃、そして中東7ヵ国に対する米国への入国禁止を発令。日本を含めた世界各国に波紋が広がり、トランプ氏の動向に注視しています。正にこのトランプ氏の行動と発言は反知性主義とも言えなくもありません。しかし、驚いた事はこれらの発令に対して米国民の半数以上が賛成しているという事実です。またこの動きはヨーロッパを中心に世界に急速に拡がりつつあります。もはや、ただのポピュリズムとは言えない状況です。主な一つ理由としては、グローバル化がもたらした資本主義の格差が背景にあることも否定できません。この資本主義がもたらした格差が一連の選挙結果に繋がっている事を認識する必要があります。ヨーロッパを始めたとした欧米諸国、そして先進国が反発する中、中東では果たしてどうなのか。とある記事によりますと、中東諸国ではトランプ氏の大統領就任は素質云々ではなく、クリントン氏でなくてよかったとの声が高いとの事です。確かに米国にて仕事や生活に携わる方、また難民の方にとってはとても悲しい事ですが、中東諸国では比較的冷静に受け止められています。確かに1991年のクウェート侵攻、その後の同時多発テロを発端にした米国の中東介入により、中東に混乱をもたらし、シリアのアサド政権を倒す為にISの前身を創り上げました。この一連の中東介入において国務長官を務めたクリントン氏は確信犯の1人と考えられてしまう事も事実です。 今年はまさしくパラダイム・シフト(その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう)の幕開けとなりました。今日は国防長官に就任したマティス氏が来日しています。また今月の10日は安倍首相が米国を訪問予定となっています。日本としては同盟国としての緊密な姿勢を見せながらも、国内の構造改革を推し進め、アジアの安定国家としての信頼回復に努める事が重要だと思います。 中国の中長期的な脅威と危機が蓄積する朝鮮半島情勢に対して日本はどう対処していくのか。このパラダイム・シフトに日本は自らの舵を取り、力強く希望を持って前に進んでいく他ないと強く思います。